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精神科の薬について

精神科で処方される薬剤には、睡眠剤、抗不安薬、抗うつ薬、気分安定剤、抗精神病薬などがあります。

こうした薬剤は、注意深く必要なものだけを必要な期間使えば、病に苦しむ期間を短縮して、安定した日常生活を送る一助となるものです。

しかし、過ぎたるは及ばざるがごとし、こうした薬剤も量を飲みすぎたり同種のものを重複して服用しては、ぼんやりしたり、眠気がひどくなり生活に支障を来たします。

今日、「多剤併用」という処方の重複のしすぎや「処方薬の乱用」が問題となっています。
当クリニックでも、薬剤の使用については安全のために、「必要なものを必要な期間」ということを心がけてきました。

このたび政府もこの問題を重くみて、多剤併用を少なくするように呼びかけています。そのため今後皆様に処方のスリム化を提案する場合もあります。

薬剤の安全かつ有効な使用についてはクリニックの医師またはご利用の薬局でご相談ください。

※ 写真はびっくりする院長の愛猫の金時

デイケアへ行こう!

当クリニックでは3階で治療活動としてデイケアを行っています。
対象は小学生から主に青年期,もちろん中高年の方でもOKです。

様々な活動プログラムを用意しています。
例えば,料理、お菓子作り、ビデオ鑑賞、おしゃべりの会、キッズクラブ(年少向け)、スポーツ、就労訓練などがあります。
プログラムはそれぞれ午前または午後,3時間程度のものです。

デイケアは前向きな方のために、生活リズムを整えたり,対人関係に慣れるために非常に有効です。
ご興味のある方はスタッフ,医師へご相談ください。

※写真は調理の活動より

高照度光療法

冬になると日の出が遅くなり、どうもいつもの起床時間に起きづらかったり、昼間もうっすら眠かったりという経験はありませんか。
人体は光を朝浴びて、睡眠ホルモンであるメラトニンが分泌されて、睡眠リズムを保つという構造になっています。しかし冬は日照時間が短く、曇天の日が続くと、睡眠リズムが変動すると言われています。
また、季節性感情障害という冬場に顕著な抑うつ症状がでてくる人もいます。

こうしたことに高照度光療法が以前から注目を浴びています。
この治療には保険適応ではありませんし、朝起きてすぐ光を浴びることがよいので、自宅に機械を備えるのが理想的です。

当クリニックでは、冬場の体調や精神状態にお悩みの方に高照度光療法のブライトライトMEという機器をレンタル(有料)しています。
購入したいという方には取り次ぎもしています。
レンタルにはレンタル料,保証金が必要になります。
また誰でもこれが有効というわけではありませんので,医師と相談の上での使用が望ましいと考えます。
詳しくはクリニックでお尋ねください。
※写真右はメーカーのHPから引用

看護師・非常勤医師の募集

はたけやまクリニックでは一緒に働いてくれる職員を募集しています。
①看護師
デイケア、採血など検査業務、診察補助など
児童青年期の精神科医療に関心をお持ちの方は大歓迎です。
勤務日数、勤務形態は相談にて検討いたします。

②医師
再診を中心とした外来診察業務
女性医師を歓迎します。特に子育て中のかたで、勤務時間を細切れとする必要のある方も相談にのります。
また当院は日本精神神経学会の専門医認定研修施設になっており、当院での勤務は専門医の研修として認められます。

詳しくはご連絡をください。

「心の強さ」ーレジリアンス

「あの人は強い」、「彼女は弱い人だ」など、たびたび私たちは人としての強さ弱さを話題にすることがあります。こうした場合は、押しが強いかどうか、打たれ強いかどうか、忍耐強いかどうか、など多彩な人間の側面を漠然と言っているに過ぎません。また押しの弱い,控えめな人が頑固で自分が一度決めたことは押し通す側面があったり,人間というのはいろいろな面があるため,一概に強さ弱さを論じるのは難しいものです。

さて、精神医学における「心の強さ」とはなんでしょう?「心」自体が実態がありませんから、これもいろいろな面から強さが論じられてきました。以前は,病気になりやすさ、ストレスに対してどう反応するのかなどなど、主に病気の側から見た強さ弱さばかり目がいっていたきらいがあります。
近年では「レジリアンス」という考え方が広く浸透しています。これは、わかりやすく言うと「外からのネガティブな影響で起こったゆがみを跳ね返す力」と言われます。言葉を変えれば「嫌なことが起こっても、そのまま折れないで立ち直る力」とでもいいましょうか。

このレジリアンスを高くする要素は多種多様論じられています。例えば、「いい人間関係」,「自分を大事に思う気持ち」、「自分をポジティブに見てくれる人がいる」、「新しいことに好奇心を持って向かってゆく」、「自分を責めすぎない」、「嫌なことを忘れる力」などがレジリアンスを少しづつ高めるのだと言われています。

とはいえ、病気をしたりすれば長い間に,レジリアンスは徐々に低くなり、傷つきやすくなったり、悲観的になりがちです。こうなってくると、薬だけをあれこれ変えてもすぐに楽になるものではありません。私たちはそうした状態を元に戻りやすく,跳ね返していけるような力を身につけるには、やはり対人関係・社会参加が重要だと考えます。そのため、当クリニックのデイケアでは集団に慣れるためのプログラム、作業をするプログラムなどを用意しています。人と関わること、何かを作ること、参加すること,共に成し遂げることなどを通して,人は強くなれるのだと私たちは考えます。

※ 写真はマンガ「きょうの猫村さん」に興味を示す院長の愛猫・金時

ASD(発達障害)親の会のご案内

はたけやまクリニックではかなり以前より、発達障害と診断されたお子さんのことを相談できる、「ASD親の会」を月に1回開催しています。
ASDとは「自閉症スペクトラム障害」、つまり自閉症の傾向を多かったり少なかったりするけれども、持っていることで生活しにくいという方の診断名です。かつての広汎性発達障害、アスペルガー症候群などを含む新しい診断名です。

この会は、そうしたお子さんを持つ親御さんが安心して同じ立場の親たちと語り、大変さを受け止め合い、いい知恵を教え合い、いい情報を交換し合える場です。
これまでも多くの親御さんに参加いただき、
「初めて自分の思いを語って,聞いてもらえてスッキリした」
「子供とのつきあい方がわかり、目からウロコが落ちるようだった」
「周囲からは子供を甘やかし過ぎだとか、親の怠慢だとか、苦労している上に意見をされて辛かった。しかし自分のやり方でいいとわかって安心した」
などの声が寄せられています。

現在、発達障害に関する本はたくさん書店に並んでいます。しかし実際の経験をしている人通しにしかわからない,細かいノウハウがあるものです。また同じ思いをしていないとわかり得ない苦労もあります。
当クリニックではこうした親御さんが、すこしでも落ち着いてお子さんとやってゆけるよう,こうした取り組みで支援をしています。
医師やスタッフも会には入りますので,ご安心ください。

ご関心のある方は、クリニックまでお問い合わせください。
お子さんが受診していない方についても、親御さんだけでもご相談ください。

「アートからハートへ」展示会

今日と明日、北九州市戸畑区「ウエル戸畑」にて、「アートからハート」というイベントがあります。
これは精神科クリニックユーザーのユニークなアート作品を展示するものです。
しないから多くの作品が集まりますので、ぜひご観覧ください。

http://www.ktq-kokoro.jp/news_supporter/1081

学会報告

9月末に院長、副院長でスイスで開催された学会に参加し、ワークショップをしてきました。
日本の保険診療内でいかにして制限の中で精神科診察をしているかという内容を発表し、ヨーロッパの医療、教育、コーチングなどの分野で活躍する人々と興味深い議論の機会を持ち、たいへんためになる時間でした。

ヨーロッパでも日本と同様に、精神科医療はさまざまな困難を抱えていることがわかりました。欧米の医療はテレビで見るほど良いことづくめではありません。医療従事者は日本とは違った制約の中でサービスを提供しています。利用する人もそれぞれの国の制度なりの不自由さがあるようです。

日本の医療は問題もありますが、海外に比べると優れた面もあります。そういう良い部分は失わずに大事に伸ばしてゆきたいと実感したことでした。
(写真は学会懇親会の様子と、留守番ですねる金時)

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考えるという「病」

パスカルは「人間は考える葦である」と言いました。 人間は他の動物のように強い身体能力を持たないけど、考える力が人間を強い生物たらしめているというような意味でしょう。

それだけ我々人間は考えるという習性を強く持った生き物です。 考えぬくことで、科学技術を発達させ、よりよい制度や医療技術、教育方法などを作り上げています。 また困ったことが起これば、解決策を作るために考えます。
しかし有害な「考える行為」もあるのではないでしょうか? 私たちは不安になるとその根本を突き止めようと考えます。 失敗すると、どうしてそうなったのか、自分の何が悪かったのか考えます。 うまくいかないと、誰のせいか、どうしてうまくいかないことばかり続くのか頭をひねって考えます。 時にはそうしたことで眠れなくなり、疲労してしまうこともあります。
果たしてこうした「考える」という営みは、私達にとって有益でしょうか?
私はそうは思えません。
考えても結局原因はわからないことが多く、わかっても解決につながらないことも多いのです。 また、考えれば考えるほど自分が恥ずかしくなったり、誰かが憎くてたまらなくなったり、ひとつもいいことがないからです。
人間が生きていく上で、不安はつきものであり、なくなることはありません。 不安がありながら開き直って生きていったほうが、実り多いのです。
私の敬愛する精神科医の帚木蓬生先生は、その著書「生きる力 森田正馬の15の提言」の中で、不安について考えることの無益さ、外界を見つめること、今必要な行為に没頭しすること、心理状態よりも外側を整えることなどの重要性を説いています。 日本には日本独自の心理療法・森田療法というものがあり、森田正馬先生はその創始者であります。 森田療法の考え方は、今を生きる我々にこそ必要な知恵を教えてくれます。

帚木蓬生著 「生きる力 森田正馬の15の提言」朝日新聞出版

※ 写真は、不自然な姿勢で考えている、院長の愛猫・金時