新型コロナウィルス感染拡大予防についてのお願い

37.5℃以上の発熱のある方、咳などの風邪症状のある方は、受診前にお電話でお知らせ下さい。症状によっては受診をお断りさせていただくこともございます。

お近くの薬局に処方箋のFAXをお送りすることも可能です。(指定薬局でなければ、自立支援医療の対象にはなりません)

受診された場合もお薬のみの対応とさせていただく場合もございますので、ご理解、ご協力のほど、よろしくお願いいたします。

ご不明な点はお電話にてお問い合わせください。

 

 

漢方の考え方を生かす

みなさんは、漢方薬にはどんな印象を持っていますか?

副作用が少ない、でも味がまずい、でも飲みやすいのもある、など様々でしょうが、「体に優しい」というイメージは共通してお持ちではないでしょうか。

漢方薬は、中国であまたの経験を通して形作られた医学体系を江戸時代の日本で、日本人が使いやすいように取り入れたものが現在のエキス剤の元となっています。

今日は、日々の健康に活かせそうな漢方の考え方についてお話ししたいと思います。

 

①体質 虚と実

体質が丈夫でどちらかといえばエネルギーの高い人の体質を「実」、その反対に、疲れやすかったり、エネルギー切れしやすい人の体質を「虚」といいます。どちらが良いとか悪いということはありません。

「実」の人は暑がりだったり、体が火照ったり、イライラしたりといった、どちらかというと「過剰な」症状があるため、このとき使う漢方薬は「多すぎるものを削ぐ」という考え方です。これを「瀉」(しゃ)といいます。

それに対して、「虚」の人は、体が冷えたり、消化不良を起こして下痢をしやすかったり、疲れやすいなど、「エネルギー不足」による症状が多く見られます。これに対しては、「足りないものを補う」、「補」(ほ)の作用がある漢方薬を選びます。

「瀉」の薬は新薬で数多く見られます。痛み止め、熱冷まし、ある種の向精神薬、抗生物質もこれと同じ考え方で、そぎ取り、悪いものをやっつける「攻撃的な」薬です。

一方、「補」の薬は漢方特有のものなのです。

②病気の強さ 陰と陽

病気の出かたも人によって様々です。同じ風邪を引くにしても、若い丈夫な方は高熱が出て3日もすると元気になります。そのうち咳が出てきます。さらに長引くと、胃腸が弱り、手足も冷たいまま体が温まらない、しっくりしない状態となることがあります。そのように、同じ風邪でも高熱が出たりして強い症状が出る病状を「陽」、病み疲れして体が冷えたり、食事が進まないなどの病状を「陰」と言います。あくまでざっくりですが。

そんなわけで、同じ風邪でも症状の出方によって、漢方薬は「瀉」と「補」使い分けをするのです。とてもきめ細やかですね。

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私たちの心と体は毎日同じ状態ではありませんから、病気ではなくてもやや元気のある日、やや元気の出ない日もあるものです。

イライラするときはカラオケやバッティングセンターへ行って発散したり、元気が出ないときは、ホッコリする映画を見たり、花を見たり、そういうことってありますよね。

自分を虚実陰陽の視点ででながめてみる。

「今日はどうかな?」と自分に尋ねてみることから始めてみませんか。

※写真は日々のウオーキングを欠かさない、院長の愛猫「金時」