今日は鉄の話をします。
鉄分が体になくてはならないものということは知らない人はいないと思います。
鉄分といえば、
・不足すると貧血になる
・ほうれん草やレバーに多く含まれる
ということは、みなさんご存知ですね。
☆ 鉄の働き
鉄は人体にとってとても重要な物質です。
以下のような働きがあります。
(→ のあとに欠乏すると起こってくる問題)
① 赤血球のヘモグロビンの材料
→ 足りないと貧血になります。ふらつき、元気が出ない、動けないなど
② 何種類かの酵素(代謝を進めるタンパク質)に含まれている
→ 寒がり、薬の代謝不良で副作用が出やすい、シミができやすい、むくみと疲れやすさなど
③ コラーゲン合成に必要
→ アザができやすくなる
④ 免疫に不可欠、細菌を死滅させるのに必要
⑤ セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンの脳内の合成に必要
→ 不安、イライラが起こりやすい。抗うつ剤服用中の方は、鉄が足りないと十分な効果が得られません
おわかりですね。鉄がないと貧血だけではなく、様々な問題が体に起こります。鉄は体と心の健康に不可欠なばかりか、病気の治療も鉄不足では進みません。
なんとなく爪がかけやすい、髪の毛がツヤがない、めまい、疲れやすい、氷をバリバリ食べたくなるなどの症状が鉄不足の兆候だったりするのです。
☆ 十分な鉄を摂取しましょう
食品中の鉄にはヘム鉄(タンパク質と結びついた鉄)と非ヘム鉄があります。
① ヘム鉄
赤身肉、レバー、魚、貝類に含まれます。サプリメントもあります。
吸収率は10~20%
② 非ヘム鉄
ほうれん草、ひじき、大豆などに含まれます。
吸収率は5%前後
明らかに鉄分は肉類の方が吸収されるのです。これは貧血の時に病院で処方される鉄剤も同じです。鉄剤は非ヘム鉄ですから、吸収率は低く、お茶に含まれるタンニンや食物繊維でさらに下がります。一方でビタミンCなどで吸収が良くなります。
肉の摂取量の多い西欧人と異なり、日本人の特に女性は、普通の食生活をしていても、慢性的な鉄不足に陥りやすいのです。
当クリニックは分子栄養整合医学の立場から、鉄分不足についてもご相談を受けています。
サプリメントについても良質で信頼のおけるMSS社のものを取り扱っています。