眠れぬ夜のために

9月になり、やっと厳しい暑さから解放された今日この頃です。

朝夕はいくぶん眠りやすくなって来たのではないでしょうか。それでも眠れない方のため、今日は眠りに入りやすくなる、または途中で目が覚めた時にもう一回眠るためのコツをご紹介いたします。

一つ目は、以前院長コラムで紹介した、東京の森下クリニックの院長森下克也先生の考案した方法で、これは認知行動療法の中では「思考妨害法」という技法とされています。

布団に入り、眠る体勢となったら、顎の力を抜きます。そして頭の中で「アーーー」という発声練習のように声を出します。頭の中ですることなので、息がきれることなく発声できます。そうするとあれこれ考えることができなくなり、ぐるぐる思考をシャットアウトすることで眠りにつきやすくなるというわけです。

二つ目は、出典は忘れましたが、シンプルなものです。眠る体勢で、口の中の舌に注目します。舌というのは常に、口の中のどこかにくっついているものです。その舌が口の中の上天井(上口蓋)、歯、歯茎などにくっつかないように宙に浮かせるように保ちます。これが意外と難しく、気をぬくとすぐに舌はどこかに触れます。これに集中しているうちに眠れるというわけです。

三つ目は、最新のものでネットニュース経由で話題になったものです。カナダの認知科学者が考案した、「認知シャッフル睡眠法」というものです。これは遊び感覚でできるもので、元々は英語圏のものなので英語を使いますが、日本語に置き換えてやっても、なかなか悪くなかったのでお試しください。

まず、簡単な言葉をランダムに思い浮かべます。例えば、「いちじく」とか「国語辞典」などです。「パパイヤ」とか「マーマレード」など同じ字が二回以上入ってくるのはダメ。それから、「ファックス」とか「パソコン」など仕事を思い出すのもダメ、嫌な記憶を呼び覚ましそうなものもやめましょう。

次に、それぞれの文字、いちじくなら、「い、ち、じ、く」で始まる単語をイメージ(そのものの画像)として思い出してください。それもなるべく無関連で画像に思い浮かべられる単語がいいです。

例)インドカレー⇨ 蝶々⇨ 自動ドア⇨ クリスマスツリー

小さい「っ」「ゃ」などはそのまま大きい字で始まる言葉とし、「ん」は中に含む単語、「ー」は無視してもいいでしょう。一つの単語が終わったら、他の単語に移ります。

実験段階では、一つの単語が終わらないうちに眠気が来た人がほとんどだったとか。私(副院長)は、たいてい二つ目の言葉の途中から記憶がなくなります。

よろしかったらお試しください

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※ 写真は不眠とは無縁な院長の愛猫「金時」